関西学生サッカーからJリーグへ。 新しい夢が始まる。


2016年のサッカーシーズンを前に、関西学生サッカーリーグで活躍した選手たちの中から13名がプロサッカー選手としての道を歩み始めた(2016年1月末現在)。中には特別指定で学生時代にすでにJ1のピッチを経験している選手や、プレシーズンマッチで活躍した選手もいる。今シーズンのJリーグは、彼らの活躍にも注目だ。J1newstars_pics_01

 2016シーズン、プロのピッチに立つ
13名の大卒ルーキーたち。

 

関西学生リーグMVPの呉屋大翔や阪南大学キャプテン松下佳樹をはじめ、リーグで活躍した選手たちがJクラブ入りを決めている。2部Aリーグからも、1部昇格を決めた同志社大学の免田朋己、ベストイレブンを獲得した関西国際大学の玉城史也がプロへ。これからのさらなる成長と活躍が楽しみだ。

 

小林 成豪 関西学院大学→ヴィッセル神戸(J1)
松下 佳樹 阪南大学→ヴィッセル神戸(J1)
澤上 竜二 大阪体育大学→セレッソ大阪(J2)
呉屋 大翔 関西学院大学→ガンバ大阪(J1)
八久保 颯 阪南大学→ロアッソ熊本(J2)
井筒 陸也 関西学院大学→徳島ヴォルティス(J2)
免田 朋己 同志社大学→アルビレックス新潟シンガポール
田中 脩史 大阪教育大学→アルビレックス新潟シンガポール
宮城 晃太 大阪産業大学→FC琉球(J3)
山内 達朗 大阪産業大学→FC琉球(J3)
知念 雄太朗 立命館大学→FC琉球(J3)
河合 秀人 大阪学院大学→ガイナーレ鳥取(J3)
玉城 史也 関西国際大学→カマタマーレ讃岐(J2)

新入団選手インタビュー

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2015年11月29日の関西学生サッカーアウォーズで、当時プロ内定が発表されていた6選手にインタビューを行った。大学リーグ優勝の関西学院大学からは、小林成豪、呉屋大翔、井筒陸也。2位の阪南大学からは、松下佳貴、八久保颯。5位の大阪体育大学から澤上竜二。大学4年間の経験を糧にこれからプロの世界で戦う彼らを、私たちも応援したい。

 

 

  • 関西学院大学

小林 成豪(ヴィッセル神戸)

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大学サッカー最後のシーズン。

1回生の頃はなかなかチームに馴染めなかったり、3回生では大事な試合に出られなかったこともありました。それで、4回生ではその分の思いを込めて戦いました。そういったところも関西学生サッカーリーグ優勝や総理大臣杯優勝につながったと思います。

 

関西学院大学サッカー部の魅力。

選手が主体性をもって行動しているところです。この4年間はチームとして調子の悪い時期もいっぱいありましたが、みんなで問題を話し合いチーム一丸となって努力することができました。ぼく自身、プロになるという目標はあったんですけど、まずはチームで活躍することが大事だと思って戦ってきました。

 

大学サッカーへの思い。

関西学生リーグでは、毎試合毎試合いい環境でプレーさせてもらいました。それが自分の成長につながりましたし、そのおかげで今の自分があると思っています。

 

プロへの抱負。

この大学でプレーした4年間を誇りに思っていますし、それはぼくの自信にもなっています。この自信をJリーグのピッチでも出していきたい。

 

 

呉屋 大翔(ガンバ大阪)

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大学サッカー最後のシーズン。

とても充実したシーズンでした。なかなか勝てない時期やいいゲームができない時期もあったけど、キャプテンの井筒が中心となり4回生がまとまって、試行錯誤しながらも戦えたことが、優勝できた原因だと思います。

 

関西学生リーグ3年連続得点王。

いいパサーがいてくれたからです。そういう選手とコミュニケーション取りながら、日々の練習から真面目に100%取り組んできました。試合でもそういういい部分が出せたのだと思います。

 

関西学院大学サッカー部の魅力。

(多くのサッカー部員がいるが)試合に出ていない選手たちが、ピッチ以外のさまざまな係や仕事をやってくれています。そういう選手たちにAチーム(トップチーム)がすごく助けられているので、そこがいちばんの強み。自分たちAチームが頑張れる理由です。

 

サッカーと人間性。

ぼくは、サッカーと人間性はもろに直結していると思います。ずっと自分のことばかり考えってサッカーをやっていたんですけど、4回生で副将になって、チームのことを考えるようになりました。どうしたらピッチ外でいい環境を築けて、それをサッカーに活かせるか。そういう部分がチームとしての結果に結びついたと思いますし、個人の成績も去年以上に伸びました。人間性の部分がすごく大事だなと改めて気づかされた経験でした。

 

ガンバ大阪への入団。

ぼくの今の力だけではガンバ大阪では活躍できないというのは自覚していますが、ガンバ大阪はぼくの今以上の力を引き出せるチームだとも思っています。これからまだまだ成長して、Jリーグの試合で得点するのが今のいちばんの目標です。

 

大学サッカーの選手たちへ。

関西学生サッカーリーグという環境に感謝しています。高校ではあまり試合に出られませんでしたが、こうして試合に出させていただいたことでプロになることができました。今、大学サッカーでプレーしている人に伝えたいのは、高校では活躍できなくても大学で伸びてプロに行くという選択肢もあるということ。全員が諦めずに頑張ってほしいです。

 

 

井筒 陸也(徳島ヴォルティス)

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大学サッカー最後のシーズン。

まず、目標としていた関西制覇を成し遂げて日本一を実現できたことが、いちばん嬉しく思うところです。サッカー部全員の頑張りがあって、Aチームのみんながすごいいい思いをさせてもらいました。

 

サッカー部の4年間。

チームの成長と自分の成長はリンクしている部分がすごく大きいと感じています。入学当初は降格争いをするようなチームで、非常に苦しい、悔しい状況でした。でも、当時から小林や呉屋はAチームで一緒にプレーする仲で、自分たちが4回生になったらリーグで優勝しようと目標をたて、そこに照準を合わせて戦ってきたんです。彼らはユニバーシアードに選ばれたり早々にJ1内定を決めたりと競技面でチームに貢献してくれました。ぼくはずっとキャプテンをやると決めていて、チームマネジメントやキャプテンシーについて考えながらここまでやってきたつもりです。その結果、4年目で優勝できたことはとても嬉しいですし、そういう仲間とともにJリーグに行けることもすごく嬉しく思っています。

 

キャプテンとしての姿勢。

サッカー部員は150人。全員を見るのは難しい人数ですが、自分自身がプレーも仕事も頑張る姿を見せることで、チームが一丸になれるのではないかと思ってやってきました。その姿勢は、成山監督が自ら実践されていることでもあります。ぼくはそれを見習って、グラウンドでも部活の業務でも誰よりも頑張ることを意識してきました。実際に4年生になってからの1年間は、多くの部員と関わりましたしチームの代表として活動することが多かったので、そういう意味では本当に多くのことを得ることができました。成山監督には心から感謝しています。次のステージではここで学んだことを発揮できるように頑張りたいと思います。

 

プロへの意識。

プロを意識したのは、4年生の初夏にプロの練習会に呼ばれてからです。それまでは「今年はチームを日本一にしよう」とそればかり考えていて、自分の進路は中途半端な感じでした。そんな中で徳島ヴォルティスが声をかけてくださって、そこからプロという選択肢について真剣に考えはじめました。ぼくは、4年間大学サッカーに関わって、サッカーが上手いだけでは十分ではないということを身に染みて感じました。プロに行ってもそのことを常に念頭に、人間的にも素晴らしい選手になれればと思っています。

 

大学サッカーへの思い。

大学サッカーは、チームも選手も大きく成長できる場所です。関学サッカー部は降格争いから3年の月日を経て日本一になれましたし、ぼく自身もプロに内定をもらいました。大学サッカーに関われたことは自分自身すごく幸運だったと思いますし、すごく感謝しています。これから大学サッカーに関わっていく人も、そういうことを夢見ていい。本当に素晴らしい場所だと思います。

 

 

  • 阪南大学

 

松下 佳樹(ヴィッセル神戸)

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大学サッカー最後のシーズン。

チームとしては連覇を目標に掲げて取り組んできたんですけど、うまくいかない時期も多く2位という結果で、悔しい思いをしたシーズンでした。個人的には、関西学生リーグでベストイレブンに選ばれたりユニバーシアードに選出されて世界大会でプレーするなど、たくさんの経験ができました。自信がついた部分がある一方でふがいないと感じる部分もある、そんな一年だったと思います。

 

プロへの意識。

漠然とした憧れはあったものの、プロになるという明確な目標をもって大学に入学したわけではありませんでした。具体的にプロを目指すきっかけになったのは、2年生の時に初めて全日本大学選抜の合宿に呼ばれたことです。レベルの高い選手とともにプレーすることで自分の意識の低さや足りない部分を痛感し、サッカーに対する考え方が大きく変わりました。

 

今後の目標。

自分の特長を出しながら、ヴィッセル神戸の勝利に貢献できる選手になりたいと思います。さまざまな人から目標としてもらえるような選手を目指していますので、それに向かって奢らずしっかりやっていきます。

 

大学サッカーへの思い。

関西学生リーグは、本当にさまざまな方々の関わりがあって運営されています。自分たちがこのようにのびのびと試合ができるのは、裏で支えてくださっている方々のおかげです。素晴らしい環境で4年間プレーできたことに本当に感謝しています。まだ知名度もそれほど高くない大学サッカーですが、これからどんどんレベルアップして日本のサッカーを支えるような存在になってほしい。

 

 

八久保 颯(ロアッソ熊本)

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大学サッカー最後のシーズン。

今シーズン、チームとしては優勝の可能性もありましたが、2位という結果に終わりました。関西学生リーグの最終節は優勝を決めていた関西学院大学との対戦。ぼくはケガで出場できませんでした。結果は残念だったけれど、外から見ていて内容的にはいいゲームだったと思います。

 

阪南大学の魅力。

阪南大学では「仕掛けて崩す」というサッカーが確立されています。他のチームより攻撃的に仕掛けていき、守備でも相手ボールを奪ってすぐに攻撃に転じるようなカウンターもできる。いろんな形のゴールシーンを観客に見せることができるのは、阪南大学のサッカーの魅力です。日頃の練習もそうですが、試合後もいつも自分たちのプレーを見て課題や改善点を話し合い、いろいろなサッカーの見方について学んできました。そういう部分をプロでも活かしていきたいと思います。

 

地元・熊本のプロクラブへ。

出身地である熊本のクラブに入団できるのはとても光栄です。両親にも相談しましたが、熊本に戻ることを喜んでくれました。阪南大学でプレーした4年間を支えてくれた両親には本当に感謝しています。開幕戦は必ず見に来てくれましたし、いつも応援してくれました。ロアッソ熊本は今はJ2なので、自分で得点を重ねてJ1に導けるように頑張りたい。また、熊本は小さな街なので、地域のさまざまな人にサッカーの楽しさや魅力を伝えていきたいと思います。

 

大学サッカーへの思い。

この4年間は、自分がいちばん成長できた時期でした。大学サッカーでプレーできたことに、自分は本当に助けられました。これからはサッカーでその恩返しをしたいと思っています。ありがとうございました。

 

 

 

  • 大阪体育大学

 

澤上 竜二(セレッソ大阪)

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大学サッカー最後のシーズン。

前期は一敗しかしていなくて自分も結構得点できたのですが、後期はチームも自分も結果が出せませんでした。リーグ最終節はインカレ出場が懸かる試合。最初に失点してしまって無理かとも思ったんですけど、結果的にハットトリックでチームも勝利することができました。

 

サッカー部の4年間。

2年生の時にチームはリーグ優勝したのですが、その時は2トップで、先輩が結構ボールを出して自分を活かしてくれた。でも、3年生で1トップになってからは、なかなか得点できないこともありました。そういったことも乗り越えて、プレーの幅も広がったと思います。

 

大阪体育大学の魅力。

今はポゼッションするチームが多いですけど、大阪体育大学は前に早いサッカーです。他のチームとは違うサッカーをしているので、それで結果が出なければただの蹴るサッカーだと言われてしまう。だから常に、結果が一番大事だと思ってプレーしてきました。

 

プロへの意識。

高校3年生の時、プロに行きたかったのに行けなかった。でも、大学4年間を経てプロになれたのは本当に良かったです。セレッソ大阪では、まずはFWとして点を取って活躍することを目標に頑張ります。自分はそんなに上手い選手ではありません。身体を張ったりゴール前で相手を背負ってプレーするのが自分の特長だと思います。そういうところをどんどんプロでも出していきたい。

 

大学サッカーへの思い。

大学サッカーの4年間、本当にいろいろな経験ができました。降格争いも優勝争いもした。その中でずっと1部(大学トップリーグ)でプレーできたのは、多くの人たちの支えがあったからです。そういう人々にこれから恩返しができるように頑張っていきます。これからも応援してください。

 

Text by Michio KII