The KSL Awards 2016 優勝・昇格へ、熾烈な戦いは続く。

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関西サッカーリーグの今シーズンを締めくくる「The KSL Awards 2016」が12月17日(土)大阪市内のホテルで開催された。シーズンを沸かせた選手・監督をはじめ、リーグ関係者やファン・サポーターが見守る中、表彰された選手たちの言葉からは、支えてくれた人への感謝とともに、さらに上を目指す熱い気持ちが感じられた。およそ2時間にわたって行われたアウォーズ。表彰された選手・監督をそのスピーチとともに紹介したい。

Division1・2ともに勝点1を争う展開。
シーズンの最後まで、目が離せない。

今シーズンの関西サッカーリーグは、まさに「熾烈」だった。Division1の優勝争いは、首位アルテリーヴォ和歌山と2位アミティエSC京都が同一勝点・得失点差1のまま最終節までもつれこむという展開。アミティエSC京都が1-6と大量得点で追い上げるも、アルテリーヴォ和歌山も0-5と譲らず、アルテリーヴォ和歌山が二連覇を達成した。
Division2でも、昇格を決めた2位St Andrew’s FCと昇格を逃した3位ディアブロッサ奈良との差はわずか得失点差1。さらに、アウォーズの直前に行われていたKSLカップの決勝・3位決定戦とも勝敗はPK戦という、シーズンの最後まで熱戦が続いた。
しかし、全国の壁は厚かった。愛媛県で開催された全国社会人サッカー選手権大会(全社)では関西から5チーム(うち1チームは兵庫県リーグ所属)が参加するも、St.Andrew’s FCは北信越の名門サウルクス福井に、AS.Laranja Kyotoは鈴鹿アンリミテッドFC(全社準優勝・地域CL3位)に、関大FC2008はJFL昇格を果たしたFC今治に敗れて1回戦敗退。兵庫県リーグから勝ち上がったFC EASY 02は2回戦で関東のエスペランサSCに敗れ、唯一2回戦を突破したアミティエSC京都も準々決勝で鈴鹿アンリミテッドFCに敗れた。また、JFL昇格を決める全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)では関西リーグ優勝のアルテリーヴォ和歌山が1次ラウンドで敗退。今シーズン関西リーグからのJFL昇格はならなかった。
悔しさの残るシーズン。しかし、ファン・サポーターを魅了する素晴らしい試合がたくさんあった。アウォーズでは今シーズンを映像で振り返りつつ、活躍した選手・チームへの表彰が行われた。
なお、2017シーズンの地域CL1次ラウンドは関西でも開催される。JFLを目指す大会の地元での開催を受けて、関西リーグはなお一層盛り上がることだろう。

2016シーズン表彰。
接戦を制し、和歌山が連覇。

<Division1>
チーム表彰

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優勝 アルテリーヴォ和歌山
準優勝 アミティエSC京都
第3位 関大FC2008
フェアプレー賞 アミティエSC京都

●優勝 アルテリーヴォ和歌山 坂元要介監督

得失点差1ということで優勝することができたんですけど。関西の代表として地域チャンピオンズリーグ出場させていただいたんですが、やはり全国との差が、1点が取れるか取れないか、取られるか取られないかというところの差をつくづく感じさせられました。また来年度も関西リーグでみなさんと切磋琢磨して、関西リーグを盛り上げて、自分たちも力つけていきたいと思います。来年度もよろしくお願いします。ありがとうございました。

●準優勝 アミティエSC京都 草木克洋監督

2位という残念な結果に終わりましたが、一年間選手たちはタフに、仕事とサッカーと両立しながらピッチではファイトしてくれたと思います。チームのスローガンを「変化」とし、これをチームに浸透させるべく戦える集団をつくることに専念をして1年間戦い抜きました。どんな苦しい状況でも諦めず最後まで戦える選手を、今年一年で多く育てられたかと思います。苦しい中、私についてきてくれた選手には感謝したいと思います。また来年も今以上の成績を目指し、関西のサッカーの発展を目指し、我々の向上を念頭におきながら大切に一試合一試合戦っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

●第3位 関大FC2008 保手濱直樹監督

今シーズン、3位という結果を残すことができました。関西大学として社会人のリーグに参戦させていただいてから最高の成績、嬉しく思っています。ただ関西大学としては、(サッカー部)230人という大所帯の中でトップチームは日本一という目標に向かって日々活動しています。私たち関大FC2008 も社会人の中で日本一、全社日本一、地域リーグ日本一を目指しておりましたので、そちらは残念ながら今治FCさんに負けて一回戦敗退と悔しい結果になりました。来年度は、次こそは日本一という目標を達成できるように日々精進していきたいと思っています。また学生ということで多々ご迷惑をおかけすることがあったと思います。いつも温かい目で見守り時には厳しい指導をしてくださり、ありがとうございました。来年度も学生らしくひたむきに全力で頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

●フェアプレイ賞 アミティエSC京都 瀧原直彬コーチ

アミティエSC京都では子どもたちにサッカーを教えています。優勝も大事なんですけど、フェアプレイというのは草木監督からもずっと指導があり、かなり心掛けてきたことです。この賞をいただけて大変光栄に思います。ありがとうございました。

個人表彰

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●ベストイレブン

GK 津司啓太(バンディオンセ加古川)
DF 角南裕太(アルテリーヴォ和歌山)、鈴木翼(アルテリーヴォ和歌山)、長瀬圭佑(バンディオンセ加古川)、長尾拓実(関大FC2008)
MF 白方淳也(アルテリーヴォ和歌山)、守屋鷹人(アミティエSC京都)、高瀬龍舞(アルテリーヴォ和歌山)、鈴木玲央(バンディオンセ加古川)
FW 澤野康介(アルテリーヴォ和歌山)、篠原嗣昌(アミティエSC京都)
●得点王 篠原嗣昌(アミティエSC京都)
●最優秀新人賞 澤野康介(アルテリーヴォ和歌山)
●最優秀選手賞 白方淳也(アルテリーヴォ和歌山)

●ベストイレブン 鈴木玲央(バンディオンセ加古川)

チームの結果が出なかったんですけど、個人としてベストイレブンに選んでいただきました。チームから3人ベストイレブンに選んでいただいたので、昇格はできなかったけど個人的には良かったと思います。ベストイレブンに恥じないようにこれからも頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

●得点王 篠原嗣昌(アミティエSC京都)

2年連続得点王という賞を獲得できすごく嬉しく思っています。ちょうど1年前もこの舞台で「また来年も得点王取りたい」「取る」とスピーチさせてもらいました。今年は監督が代わり自分に要求されることも増え、チームも個人も変化していった年でした。前期は少し苦しみましたが後期にはすべての試合で点を取ることもでき、結果的に去年よりも多くゴールを決めることができました。自分はこの賞を取ることに懸けていたのでその気持ちの強さが結果に結びついてすごく嬉しく思います。信用して使い続けてくれた監督、必死に守ってボールをつないでくれた仲間、応援してくださったサポーターやスポンサーやスタッフのみなさまのおかげで取れました。ありがとうございました。

●最優秀新人賞 澤野康介(アルテリーヴォ和歌山)

来年はこの賞には恥じないプレーをし、もっと多くの賞を取りたいいと思います。

●最優秀選手賞 白方淳也(アルテリーヴォ和歌山)

今年はチームとしてリーグ連覇と地域チャンピオンズリーグ突破ということを掲げていました。苦しみながらリーグ連覇という目標は達成しましたが、肝心の地域チャンピオンズリーグで全敗。関西リーグを応援してくれているみなさんも結果をすごく気にされていたと思うんですけど、期待に応えることができなかったので、来季こそ。リーグ三連覇ということはすごく難しいことだと思うんですけども、そこを達成し、地域チャンピオンズリーグで突破し、JFL昇格をこの場で祝ってもらえるように、ぼく個人としても頑張っていきますので、来年もよろしくお願いします。ありがとうございました。

<Division2>
チーム表彰

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優勝 FC TIAMO枚方
準優勝 St.Andrew’s FC
第3位 ディアブロッサ奈良

●優勝 FC TIAMO枚方 山本拓弥監督

優勝という素晴らしい結果を残せたのも選手の頑張りがあったからだと思っています。またスポンサーはじめファンのみなさま関係者のみなさまの支えがあったからこそ、このような結果が出たと思います。我々FC TIAMO枚方は、昨年関西1部リーグに所属していながら降格し、今シーズン2部からのスタート。必ず優勝したいという思いで1年間戦ってきました。開幕戦は先制しながらも逆転負けするという最悪なスタートではありましたが、日頃のトレーニング含めて選手が本当に切磋琢磨しながらひたむきにトレーニングしてくれたからこそ、この優勝の場に立てたと思っております。来季はまた今年以上に厳しい戦いが予想されます。このままでは戦えないとも思っています。一つでも二つでもレベルアップし、個人としてもチームとしてもさらに高みを目指して、クラブに関わる全員でまた来季戦っていきたいと思っております。来季、関西リーグがさらに魅力あるリーグになるよう、選手チーム一同また頑張っていきたいと思っております、本日は誠にありがとうございます。

●準優勝 St.Andrew’s FC 田村直弘監督

こういった整った環境でサッカーをさせていただき、ありがとうございました。大学として関西2部リーグ初めての挑戦、若いチームながら苦しい時期もありましたが2位という上位の成績を修められまして大変嬉しく思います。来シーズン関西1部という高いリーグで挑戦させていただけるわけなんですが、現状に満足せずこれから上を目指して、関西社会人リーグ全体として盛り上げていけるように若い力を十分に発揮していきたいと思います。シーズン通してありがとうございました。
※St.Andrew’s FCは桃山学院大学サッカー部のチーム。2016年1月に行われた関西府県リーグ決勝大会に優勝して関西サッカーリーグへの昇格を決めた、関西リーグ最初のシーズンだった。

●第3位 ディアブロッサ奈良 水越潤監督

振り返ってみると、3位という成績。2位と勝点が同じで得失点差1の差で昇格できないという、我々にとっては非常に悔しい思いをしました。ただ、これも我々の力不足、一年通しての力だったんだなと。何かが足りなかったんだなという思いです。またその足りなかった部分を埋めて来年度必ず昇格できるように頑張りたいと思います。改めてこういう場に来させていただきますと、いろんな方々のご協力があって成り立っているものだなと、本当に感謝しております。クラブとしてももっともっと関西リーグを盛り上げることができるように、もっともっと力をつけて頑張りたいと思います。ありがとうございました。

●フェアプレイ賞 高砂ミネイロFC 中嶋康貴 実行委員

順位よりもフェアプレイ、そういうDNAでやってきているチームなので、非常にありがたい賞かなと思います。これを持って帰ってチーム全員に紹介したいと思います。本日はありがとうございました。

個人表彰

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●ベストイレブン

GK 川崎陣(アイン食品(株)サッカー部)
DF 田頭英昴(St.Andrew’s FC)、相澤拓実(St.Andrew’s FC)、金泉万里(FC TIAMO枚方)、新地寿史兆(FC TIAMO枚方)
MF 木田直樹(FC TIAMO枚方)、美里孝彦(AS.Laranja Kyoto)、佐藤碧(St.Andrew’s FC)、椿本拓也(ディアブロッサ奈良)
FW 磯部隼也(AS.Laranja Kyoto)、山本翔一(ディアブロッサ奈良)

●ベストイレブン 美里孝彦(AS.Laranja Kyoto)

このような賞をいただきありがとうございます。以上です。(笑)


●得点王 木田直樹(FC TIAMO枚方)

得点王ありがとうございます。この賞は自分の力だけではなくチームメイトにプレーさせてもらって取れた思います。来年は1部でこの賞をもう一度取れたらと思います。ありがとうございました。

●最優秀新人賞 相澤拓実(St.Andrew’s FC)

まさかこんな賞を取れるとは思ってなかったので本当に嬉しく思います。この賞に恥じないようにしっかり日々精進してやっていきたいと思います。ありがとうございます。

●最優秀選手賞 木田直樹(FC TIAMO枚方)

今回最優秀選手賞をとらしていただいた木田です。来年もこの賞を取れるように頑張ります。ありがとうございました。

<The KSL Cup 2016>

優勝 阪南大クラブ
準優勝 AS.Laranja Kyoto
第3位 レイジェンド滋賀FC

<特別表彰>

●108試合出場 浅野裕也(京都紫光クラブ)

選手としては(昇格せず)関西リーグにずっと在籍しているということがいいのか悪いのか。上を目指したい人は、これをもらったら正直だめだと思います。それでもぼくは関西リーグでずっとやっていること、そしてこの賞をもらえたことはすごく良かったと思いますし、今後もこれをもっと伸ばして、この倍の200試合とか、目指せる目標がひとつ持てました。また今後とも長く続けて、またこの舞台に立てるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。


●100試合出場 浅野裕也(京都紫光クラブ)

個人としては非常に嬉しい気持ちでいっぱいです。ずっと1年を通してDivision1でチームとしては全然いい結果が出なかったので、来年またDivision2で戦うんですけども、チームの中心となってやっていけるように頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました。


●Manager of The Year 草木克洋(アミティエSC京都)

思いもしなかった賞をいただきまして光栄でございます。私自身関西リーグに帰ってきたのがかなり久しぶりで、関西のレベルの高さというのは痛感いたしました。全国でみても関西のレベルの高さというのはおそらくトップクラスのリーグだと思います。その中で我々は、得失点差1で準優勝という悔しい思いをしましたが、私自身もリーグを通じていろんな経験ができ成長できたと思っております。また今後ともみなさまのご指導ご鞭撻をいただきまして私自身も成長していきたいなと思っております。本日はありがとうございました。


●Player of The Year 篠原嗣昌(アミティエSC京都)

今すごく驚いているんですけども。長く関西リーグでサッカーやっているからなのか、ゴールをたくさん決められたからなのかわからないですけれども、こうやってまわりの方に選んでいただけたことがすごく嬉しく思います。これに恥じないように、これからも頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。


●Player of The Year 山本翔一(ディアブロッサ奈良)

まず、一部昇格を目標にプレーしてきましたが、目標を達成できずに非常に残念なシーズンでした。この賞をいただけたのはチームメイトまた応援してくださった方々のおかげで、獲得できたことに感謝しています。自分ひとりではこの賞を取ることができなかったと思います。来年チームの昇格とともにもう一度この賞を獲得できるように頑張っていきたいと思いますので、ディアブロッサ奈良の躍進に注目してください。ありがとうございました。
※山本選手は仕事の都合で欠席。代理で中塚康弘実行委員長が山本選手からのコメントを読み上げた。

※Facebookでは、アウォーズの雰囲気や選手・監督のスピーチなどを写真で振り返っています。併せてご覧ください。

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Text by Michio KII

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