一致団結して、いざタイトルへ。


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ヴィッセル神戸 試合運営グループ 河岡 幹彦氏

港町・神戸のチームがトップカテゴリに帰還してきた。
今シーズンの目標はハッキリしている、ずばり“タイトル獲得”。
そこへの船出はもう始まっている。
目標達成への原動力となるのは何か?
フロントスタッフとしてクラブを支える河岡さんにお聞きした。

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簡単ではなかった、J2シーズンを終えて

 

ーーまずJ2を戦った昨シーズンは、どのような一年でしたか?

「あっと言う間というのが正直な感想です。勝って当たり前の空気もありながら、当然優勝も狙っていました。ですが、まず昇格を勝ち取るのが最低条件。そんな中、選手へのプレッシャーは半端ではなく、よく戦ってくれたと思います。世間が思っているほど、簡単ではなかったですね」

 

ーーしかし、無事にJ1へ戻ってきました。今年はどんな感触ですか?

「現段階では第二節を終えて、2引き分け(3/10現在)。川崎フロンターレ、柏レイソルという難敵相手に、内容は決して悪くなかったと思います。ファンの皆さんにも“90分が早く感じるくらい楽しかった”と好感触でした」

 

ーー「J1」と「J2」では、どのような違いを感じますか?

「お客様の声が違っていますね。J2のときは、どうしても『まぁJ2だし…』というような後ろ向きな声がありましたが、昇格してからは『J1だからね!』って、前向きで明るい声を多く聴かせてもらっています(笑)。また営業的にも大きいですね。実はJ2に降格した年も、スポンサー数が極端に減ることはありませんでした。これは本当に営業部門の努力の結果だと思います。その上で、J1に昇格した今シーズンは当然ながら昨年を上回るスポンサーの方々にご支援いただける見込みですから」

 

ーー昨年と比べてクラブの雰囲気は?

「昨年も良い雰囲気でしたが、昨年J2を戦った自信に加え、新たな選手が融合し、開幕から2試合戦って手応えも感じ雰囲気はさらに良いですね。クラブスタッフ全員が “タイトル獲得”という目標のもと一致団結していて、モチベーションは高いです」

 

 

 

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若手の台頭が戦力をさらに充実させる

 

ーー若手選手の台頭も注目ですね。

「小川をはじめ、松村、岩波、前田、和田と注目の若手は多いですね。みんなそれぞれに特徴があり、能力がある選手たちなので、試合に出て結果を出せば一気にブレイクする可能性はあります。楽しみですね」

 

ーー安達監督は若手を積極起用するタイプですか?

「それは正直わかりません。でも、安達亮監督はベテランから若手選手まで常にしっかり観ています。監督の頭の中にはU-15の選手くらいまでの情報がだいたい入っていて、アカデミーの試合を見に行っても“控えのあいつは今どうだ?”“誰々はあの高校・大学へ行ってどうなった?”という感じで、ヴィッセル神戸に関わる選手たちを常に気に掛けてくれている人なんです。一般的に若手を試合に使わないと批判的なことを言われがちですが、結果を求められるトップチームでは『このレベルまで来ないと使わない』というのが、ハッキリしている監督ではないかなと私は思います」

 

ーーちなみに安達監督はどんな人ですか?

「熱い人ですね。飲みに行ってもサッカーの話しかしませんよ。選手個々のことから、育成方法やクラブの在り方など、ずっとサッカーの話をしていますね。本当にサッカーが好きなんだと思います(笑)。私は、ああいうタイプの人が好きなので、一緒に働かせてもらうスタッフとして幸せです」

 

ーー試合前の安達監督はどんな感じですか?

「基本的にコーチングスタッフを信頼されているので、細かいことはあまり言わないタイプだと聞いています。細かな打合せは任せて、最後のまとめの一言で、チームを一気に盛り上げて試合に向かわせる感じですね」

 

ーーチームでのムードメーカーは誰になりますか?

「よく聞くのは大屋ですね。昨年は選手会長でもありましたから、チームを盛り上げるために、いろいろと頑張ってくれています。今年は主将が相馬、副主将に北本、河本、そして小川が副主将兼選手会長ということで、チームとしても若手・中堅・ベテランのバランスが非常に良いと思いますね」

 

ーーチームとしてはアカデミー出身者や生え抜きの選手が目立ちますね。

「そうですね。小川・松村・岩波・前田・和田・吉丸などはアカデミー出身者で、北本・河本・田中・大屋・森岡・奥井・金らは高校、大学から直接ヴィッセル神戸に加入した生え抜き選手になります。クラブとしては、やはりこういった選手たちが主体となって、移籍加入してきた選手たちと高いレベルで融合したチーム作りができれば理想ではないかと思っています」

 

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スローガンと共にみせる“本気”

 

ーー今年はシーズンスローガンもありますね。

「今年はシーズンスローガンに『一致団結』という言葉を選びました。これは三木谷オーナーの父で、ヴィッセル神戸の取締役だった故三木谷良一氏がクラブの根幹を成すコンセプトとして、強い思いをもってクラブに贈った言葉です。今までのスローガンにも通ずるものがあり、今一度みんなで一体感を持って歩もうという決意を表しています。今シーズンはこの「一致団結」と書いたフラッグにスタッフやファンの皆さんにも寄せ書きをしてもらったものを、試合時のロッカールームに飾っています。このスローガンに関しては、安達監督のスポンサーパーティーでの壇上挨拶が印象的でしたね。選手・スタッフだけでなく、パーティーに参加してくれた皆さん、料理を用意してくれたコックさんも含めて、関わってくれた全員が『ヴィッセル神戸です』と仰っていました」

 

ーーまた地域の方ともつながりが強いですよね。

「サポートスタッフ(ボランティアスタッフ)の皆さんには、本当にお世話になっています。試合日にはチケットのもぎりやプログラムの配布をしていただいたり、場内の清掃や座席のご案内をしていただいたりと、彼らがいないと試合運営はできないと思いますよ。そのような方々とのつながりも、どんどん密になっているように感じますね」

 

ーーホームタウン活動を通して、地域を大切にしている印象もあります

「クラブ創設15周年となった2010年から、『GOAL for SMILE プロジェクト』と題して、公式戦の1得点につき、サッカーボールを4球、神戸市の小学校に寄贈する取り組みを行っています。神戸市立の小学校全166校に選手が直接訪問してボールを届けています。いずれは、それがきっかけでサッカーを始めて、ヴィッセル神戸でプレーする選手が生まれてくれると嬉しいですね」

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ーースタジアム周辺の地域から、そんな選手が生まれるとドラマチックですよね?

「そうなんですよ。そうすると、クラブとしても地域としても活気づくと思いますね。特に、この地域は『人が帰ってくる街』みたいなんですね。ここで育って、街を出て働いて、結婚して。そして、ご両親に会いに帰ってくる街。それがスタジアム周辺の街なんですね。だから、そんな人たちが帰ってくるきっかけになるようなクラブになりたいですよね」

 

ーー最後にファンの皆さんへメッセージをお願いします

「今年は“本気でタイトルを獲りにいきます!”。それと全チームに負けたくないですが、特に関西のチームには負けたくないです。ビジネス的には協力することもありますが、ゲームでは競い合います! リーグ、天皇杯、カップ戦だろうが、観客の数だろうが、1ミリも負けたくないと思っています!応援をよろしくお願いします」

 

Text by Yoshitomi NAKANISHI