アマのトップカテゴリーで戦う企業クラブの想い。


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一昔前まではスタンダードだったが、Jを目指す地域クラブが乱立する昨今では貴重な存在に成りつつある「企業クラブ」。その中でも関西の草分け的存在が、このクラブだ。

 

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鉄壁の守備陣も苦戦が続く今シーズン

日本サッカー全体のカテゴリーではJ1・J2に続いて、上から3番目となるJFL。このカテゴリーに今年所属する関西のクラブはMIOびわこ滋賀と、この『佐川印刷SC』の2クラブだけだ。昨年は7試合連続完封でJFL新記録を達成した佐川印刷SCだが、今年は苦戦が続いている。「現在の順位(18チーム中14位)には納得していません。昨年からの流れでDF陣は安定しているのですが、なかなか得点が取れない状況が続いていますね。今季はFW陣の若返りを図ったこともあって、選手の成長が追いついていない感じです。でも、それだけが原因ではなくJFLのDFが甘くないというのもあります。リーグ自体も年々レベルが上がっていますし、元日本代表が所属しているチームもありますから。それが今、私たちが戦っているJFLというカテゴリーということです」

Jを目指さない企業クラブの目指すモノ

多様なクラブが集うJFLだが、昔は数多く存在した企業クラブも佐川印刷SCを含めて4クラブとなった。他クラブがJを目指す中、企業クラブはどんな想いで戦っているのだろうか? 「まず選手・スタッフは皆、佐川印刷の社員です。そこでチームが目指すのはアマチュア最高峰のJFLでトップを獲ること。個人では、ベテラン選手は仕事を持ちながらプレーできる環境に感謝していますね。若手もそれぞれ想いを秘めているでしょうけど、まずはココでしっかりと結果を出すことを目標としている選手が多いと思います。また企業クラブとしては会社のバックアップが大きいです。会社からの応援もありますし、社員が運営面を手伝ってくれます。そんな支えがあって、このカテゴリーで戦えていると思いますね。また、私達は地域に貢献したいという気持ちも強くあります。昨年の岐阜国体では京都府代表として優勝することができました。天皇杯でも京都の代表で出場することが多く、いつも目標は『打倒!J』です。Jクラブを倒すとメディアにも取り上げてもらえて、会社にも恩返しできますので(笑)」
来年度はJ3が創設され、新たな転換期を迎えるJFL。「J3の設立はサッカー界の発展にはプラスでしょう。ですがJFLに所属しているクラブとしては微妙なところも、正直ありますね(笑)。ただJ2ができたときも同じだったので、ネガティブに考えず、この変化をポジティブに楽しもうと思っています」。群雄割拠のJFLで躍動する佐川印刷SCに、これからも注目していきたい。


#WEB版 取材こぼれ話
本誌には掲載できなかった、取材時の「こぼれ話」をまとめてみました!

●佐川印刷SCのサッカースタイルとは?


「堅守速攻ですね。しっかり守って、素早い攻撃を目指しています。伊藤監督は昨年までうちのDFとして活躍されていた方なので、ディフェンスから入ることがチームカラーにもなっていますね」

●選手補強などはどのようにされていますか?


「総監督、監督、スタッフを含めて、時間の空いているときを見つけてスカウティングを行っています。大学リーグや対戦相手となる大学生を見ることが多いですね。またセレクションはシーズンオフに開催しています。毎年それなりの人数の方が参加してくれるのですが、よく他のJFLチームと日程がバッティングしてしまうのが難点です」

●JFLの魅力とはどんなモノですか?


「正直、Jクラブと比べると技術面では劣るところがあるかもしれません。しかし、技術面を運動量や気持ちでカバーして、一生懸命戦うチームが多いのは魅力と言えると思います。それに選手とサポーターとの距離が近いことも魅力的です。場合によっては試合中にサポーターの声が選手に届いたりもしますから(笑)。また、今シーズンからうちのクラブは、ホームゲームでの試合終了後に、出場した選手も含めて全員でサポーターを見送るようにしています。Jクラブではなかなか考えられないことだと思いますよ」


Text by Yoshitomi NAKANISHI