悔しさを糧に、ともにもっと前へ。


kobe_dei_talkヴィッセル神戸 MF 10 森岡 亮太 選手×
デウソン神戸 PIVO 7 原田 浩平 選手

サッカー選手の交友関係はおもしろい。あの選手とあの選手が実は友だちで…なんて知ると、ミーハー心をくすぐられ少しトクした気分にもなる。今回はプライベートで仲の良いヴィッセル神戸 森岡選手とデウソン神戸 原田選手のスペシャル対談をお届け。サッカーとフットサル、異なるフィールドからホームである神戸を盛り上げている二人のアスリートの、軽快なトークを楽しんでほしい。

 

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[出会い]

はじめて会ったときから、「あっ代表になる」と(笑)。

 

 

――お二人の出会いは?

原田「5年前くらいかな。神戸の3クラブ、INAC神戸、デウソン神戸、ヴィッセル神戸が同じ日にグリーンアリーナ神戸で試合をするという企画があって、その告知のために三宮でビラ配りをしたときが初対面」
森岡「INACからは澤さんや川澄さん、デウソンからは原田さん、それぞれクラブの顔となる方々が参加されているなか、ヴィッセルは若手選手たちで行って。ものすごく緊張して、あいさつしかできませんでした」
原田「そこから4年くらいたって、(現セレッソ大阪の)橋本英郎選手がやっているサッカースクール『プエンテFC』関係者の誕生日会で再会しました。でもね、“はじめまして”と言われてしまった(笑)」
森岡「いや、前に会っていたことはわかっていたんです。でも、あいさつしただけだったし覚えてないだろうと思って・・・」
原田「覚えていましたよ。5年前は見た瞬間に“あっ将来、日本代表になる選手や”って感じていたし(笑)」
森岡「嘘や(笑)。どんな先見の明を持っているんですか!?」
原田「でも、実際にそうなったから。ぼくはヴィッセル神戸の試合をけっこう観に行くのですが、ビラ配りで出会ってからは森岡選手のことを意識してチェックしていたんです。当時はスタメンじゃなかったけど、途中交代で出てきたら必ず流れを変えていていました。うまい選手だと感じていたので、再会できてうれしかったですね」

 

 

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[お互いについて]

しっかり自己管理できるところが、すごい。

――アスリート同士、お互いはどういう印象を?

原田「森岡選手は自己管理がしっかりしています。例えば、みんなで夜に集まるとなると、ごはんを食べる時間がどうしても遅くなる。そういうときは“ごはんを食べて行ってもいいですか”と断りを入れて、先に食べてくるんですよ。ぼくはそこまで徹底できないから、すごいと思います」
森岡「プロに入ってからは食べる時間も気にするようにしています。いつも18時30分に食べているので、その日だけ違う時間になるのがイヤなんですよね」

 

――プロエッショナルですね! では、森岡選手から見た原田選手は?

森岡「コミュニケーション能力がむちゃくちゃ高い。フットサル界で、一番交友関係が広い選手じゃないですかね。子供から年配の方まで、すぐ仲良くなれる」

 

――それはプレーでも活かされていますか?

原田「とけ込みやすいという点では活かされているかもしれません。はじめて日本代表に行ったときも、(当時)一番の若手でヤバイくらい緊張していたのですが、上の方々に良くしていただいてすんなり入っていけました」
森岡「だから、ぼくがはじめて日本代表に呼ばれたときに、代表でどうすればいいのかを質問したんですよ」

 

――なんて答えたのですか?

原田「いくつかのグループがあるかもしれないけど、最初だからいろんなところに顔をだして仲良くなれと」
森岡「浩平兄さんにいろいろ教わって、助かりました」

 

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[2014シーズン]

ポジティブな面もあったけど、すごく悔しい。

 

――日本代表に招集されるなど、2014年は森岡選手にとって飛躍のシーズンでした。

森岡「代表に選ばれてからは、神戸を歩いていても声をかけられることが増えました。注目度は上がった気がしますね。それと同時に、求められるプレーへのハードルが高くなったように感じます。それまでは“すごい!”と言ってもらえていたことも“代表なら当たり前”と見られてしまうので、もっといいプレーをしないと評価してもらえない」
原田「プレースタイルに落ち着きが加わったように見えます。ぼくは寄せられるとあせってしまうのですが、昨シーズンの森岡選手はゆっくりと余裕を持ってボールをキープできていました」
森岡「いや、あせっていますよ! でも、できるだけ顔を上げるよう意識していましたし、少しずつではありますが自信もついてきたので、プレーに余裕がでてきているのかもしれません」

 

――チームで最も活躍した選手に贈られる三木谷良一賞も受賞し、チームの主軸になりました。

森岡「はじめてフルシーズン出場できましたし、個人的にはポジティブな面も多かった。でも、出場時間に対してのアシスト数が少ないなど、数字を見たらものたりないですね。ぼくのポジションは攻撃と守備の真ん中で、ひとつのパスが、ゲームづくりに影響する重要なところ。結果にも責任を感じます」
原田「ヴィッセルもシーズン前半は勢いがあったんだけどね」
森岡「タイトルを取るという目標に向かって戦いましたが、結果は11位。チームとしてはすごく悔しいシーズンでした」
原田「デウソンも厳しいシーズンを戦っています。勝てているときは勝ちぐせみたいなものがあって調子に乗れるのですが、負けだすと、勢いが止まってうまくいかなくなる」
――そういうときに心がけていることはあるのですか?
原田「意識的にポジティブな声を出すようにしています。声で勝てるわけではないのですが、負けているときはどうしてもベンチの雰囲気が暗くなってマイナスの声も多くなるので。代表に行って気づいたのですが、代表チームではマイナスの声が聞こえてこないんです。うまくいかない状況でも、“次に行こう、切り替えよう”って前向きな声が飛ぶ。経験値の高い代表選手たちが率先して盛り上げているのを見て、ぼくもやらなきゃと思うようになりました」

 

――応援席からも声が飛びます。プレー中は聞こえる?

森岡「聞こえますよ。でも、あまり気にならないですね」
原田「ぼくは気にするタイプなので、文句は少なめにお願いします(笑)」
森岡「そんなデリケートでしたっけ?(笑)」

 

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[印象的なシーン]

メンバーから外されて、自分のプレーを見直した。

 

――2014シーズンで印象に残っていることは?

森岡「ナビスコカップ予選リーグのベガルタ仙台戦です。試合終了間際にペドロがゴールして、決勝トーナメント進出を決めた。それまで予選リーグを突破したことがなかったヴィッセル神戸が、新しい歴史をつくった試合です。あのときの一体感はすごく良かったですね」
原田「ぼくはホーム開幕戦。デウソンに在籍して8年目なのですが、はじめてメンバーから外されました。自分自身は出るつもりで “観に来てね”と周りを誘っていたのですが、前日のメンバー発表でぼくの名前が入ってなかった…。どうしようと思いましたよ」
森岡「でも、そのあとの試合で起用されたら得点したんです。試合後にお祝いの電話を入れたら名言が飛び出してね。覚えています?」
原田「“出たら点を取るから”ってやつ?」
森岡「そう。“俺は出たら点を取るから”って、兄さんかっこいい!って思いましたよ」
原田「最初にでられなかったおかげで自分のプレーを見直すきっかけができたので、今では良かったと思っています。ぼくは点を取るより周りを活かしたプレーが好きなタイプ。でも、PIVO(サッカーでいうFW)は得点しないと認めてもらえないんです。メンバーを外されてからは“全部自分でいく”という意識を持って取り組んで、そうしたら調子も上がっていって自信もつきました。だから監督に使ってもらえたときに、うまく点が取れたんだと思います」
森岡「前への意識は、ぼくも強く持っています。ゴールから離れたところでプレーしているとパスしか選べないことが多いのですが、ゴール前だとパスもシュートもできる。ロングパスやスルーパスもいいのですが、それしかできない状況とは違う。複数の選択肢から、自分が最適だと判断した方を選べることが大切なので、もっとゴール前でプレーしたいと思っています」

 

――前に向かうサッカーは観ていて楽しい。

森岡「プレーしているぼく自身も楽しいですし、それを観ている人にも楽しんでもらえたらうれしいですね」

 

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[フットサルの魅力]

フットサルを、やるスポーツから観るスポーツに。

 

――森岡さんから見たフットサルの現状は?

森岡「今はまだ、観るスポーツというより、やるスポーツの側面が強い。でも、ちょっとしたきっかけで変わっていくような気もするんです。サッカーもそうですが、自分がうまくなろうと思ったら、うまい人のプレーを観る必要がでてくる。そうやってFリーグの試合に足を運んでもらえればレベルの高さに驚くと思います。フットサル選手の技術は高くて、ぼくもマネさせてもらっているくらいですから」
原田「ルールや戦術も浸透していません。フットサルにはサッカーにはないパワープレーがあってキーパーも含めた5人全員で攻めます。そこがおもしろいところなのですが、知らない人からすると“なんでいきなり人が増えたの?”となる。選手交代もいきなりしますし、とまどってゲームを単純に楽しめないことがあるのかも。スタジアムDJが細かく解説してわかりやすくするなど、工夫してもいいかもしれませんね」

 

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[オフの楽しみ方]

ヴィッセルチーム、全員船酔いでダウン(笑)。

 

――プライベートではどんなことを?

原田「いっしょに船釣りに行きました。垂水の方でブリが釣れるということで。でも、森岡選手は開始早々に脱落しまして」
森岡「朝の6時30分に出港して、13時30分に戻ってくるスケジュールなのに、7時には釣りをやめていました。岩波拓也と高橋峻希もいっしょだったのですが、まず高橋、次にぼく、最後に岩波も船酔いでダウンして、ヴィッセルチーム、開始一時間で全員マグロ状態(笑)。(高橋)峻希くんなんて“釣りを趣味にしたい”って言うから連れていったのに、一番に吐いていましたからね(苦笑)」
原田「すごかったですよ! 水しぶきがバンバンかかっているのに気にすることなく船上に横たわるマグロで(笑)。それを見て、最初は大丈夫だったぼくも酔ってしまって、予定を変更して2時間で港に戻ってきました」

 

――(笑)。そうやって神戸を楽しまれているお二人がおすすめする、神戸のスポットはありますか?

森岡「六甲アイランドのフットサル場で、毎週水曜日の21時から23時まで浩平さんが個人フットサルをやっています」
原田「フットサルをやりたくても人数が集まらない場合も多いと思うんです。ここでは一人で来てもフットサルができる。和気あいあいと楽しんでいるので気軽に来てもらいたいですね。たまに森岡選手も来ますから、よろしくお願いします!」

 

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[2015シーズンにむけて]

新シーズンは、全部が楽しみ。

 

――2015シーズンはネルシーニョ新監督で挑みます。(取材時は12月で)まだ指導は受けていませんが、どんな印象を持たれていますか?

森岡「ネルシーニョ監督のチームは“選手みんなで考えながら臨機応変に自分たちのプレーをする”そんな印象があります」

 

――どんなところが楽しみですか?

森岡「全部です! 日本代表では経験がありますが、クラブチームで外国人監督といっしょにやるのははじめて。言葉の使い方やモチベーションの上げ方など外国人監督らしいニュアンスもあるだろうし、どんな指導をされるのか今から楽しみです」

 

――期待される役割もあるのでは?

森岡「戦術についてははじまってみないとわかりませんが、プロ6年目で、若手とベテランの中間に位置する。ギャップをうめて若手もベテランもプレーしやすくなるようサポートしたいですね。ポジションも攻撃陣と守備陣の中継地点ですし、試合でもチームでもつなぎ役になることを求められるのかなとは思っています」

 

――原田選手から森岡選手に期待するところは?

原田「もっと成長して、ヴィッセルはもちろん、日本代表を背負って立つ男になってほしいですね。そうなってくれると、ビラ配りで出会ったときから信じていますから」

 

――森岡選手から原田選手へは?

森岡「交友関係も広いですし、多くの人にフットサルの魅力を伝えられる選手だと思います。もっと注目を集めて、フットサルの楽しさを広めてほしいですね」

 

――最後にお二人からファン・サポーターにメッセージを。

原田「これからも観ておもしろいと思ってもらえるフットサルをしていきます。まずは試合会場に足を運んでもらって、Fリーグのフットサルを体感してほしい。ぼく自身も、ボールを持ったらシュートを意識する積極的なプレーで盛り上げていきます!」
森岡「ファン・サポーターの方々に、スタジアムの良い雰囲気をつくってもらっていると感じています。そのなかで、いい結果を出せるよう新シーズンも戦っていきます」

 

 

text by Masami URAYAMA