映画『(LOVE SONG)』 心に刻まれたあの日のメロディが、もう一度、初恋を動かす。

東京とバンコクを舞台に〈未完成の曲〉が2人を繋ぐピュアラブストーリー、映画『(LOVE SONG)』が2025年10月31日から全国ロードショーされます。

世界的に大ヒットしたBLドラマ『2gether』を手掛けたタイのチャンプ・ウィーラチット・トンジラー監督の日本デビュー作品で、〈初恋〉という普遍的なテーマを、〈歌/メロディ〉という心揺さぶるモチーフで動かしながら、時間と距離を越えて交錯する想いを描きだしています。

主演を務めるのは、森崎ウィンさんと向井康二(Snow Man)さん。 “恋するふたり”をスクリーンで見つめながら「恋するっていいな」なんて思わせてくれるラブストーリーです。

 

好きと言えたら、世界は変わる

好きな人に、素直に「好き」といえたら、どんなにいいだろう。しかし、その“素直に”を実行できないのが、恋のむずかしさであり、もどかしさなのではないでしょうか。この物語に登場するのも、そんなもどかしさを抱えた二人の男性です。

主人公のひとりは、化学メーカーの研究員・ソウタ(廣木壮太:森崎ウィン)。バンコク勤務を命じられて赴いたその地で、彼はかつて大学時代に突然姿を消した初恋の相手、カイ(杉浦海:向井康二)と再会します。

学生時代、ソウタはカイが奏でていた切ないメロディを耳にしていました。その旋律は心に刻まれ、時を経た今もなお、彼の胸の奥で鳴り続けています。

6年という時を隔てて再会した二人。カイはバンコクでカメラマンとして働きながら、音楽活動を続けており、以前よりもたくましさと自信をまとっています。一方のソウタは、相変わらず真面目で慎重。その性格ゆえに、カイとの距離を感じ、過去の片想いの痛みが蘇り、「この恋はきっと叶わない」と心に蓋をしてしまいます。

勝手に想像して、勝手に諦めてしまうソウタ。「ああもう、そうじゃないのよ!」と観ているコチラが思わずいってしまいそうになりますが、お互いを想いながらどこかズレていく2人をつなげるモチーフとなるのが、〈歌〉です。

カイが学生時代から大切に作り続けてきた、〈好きな人に最初に聴かせたい歌〉。その曲が完成し、ライブで初披露するという噂を耳にしたソウタの心は大きく揺れ動き、ある行動をとります。

それぞれを想いながらも、「好き」と言えず、すれ違ってしまう二人。
その恋は、どんな結末を迎えるのでしょうか──。

映画『(LOVE SONG)』の一場面

 

主演ふたりの調和が、セツナさとトキメキを加速させる。

タイトルにもあるとおり、この映画の軸となっているのは〈歌/メロディ〉です。時代とともにある音楽は思い出とリンクしやすく、“この曲を聴くと、あのとき好きだった人を思い出す”という方も多いのではないでしょうか。(実際、音楽と記憶が結びつくことは脳科学的にも知られており、味覚や嗅覚よりも強く感情を呼び起こすといわれています)。本作でも、カイがささやくように口ずさむメロディが印象的で、観賞中ずっと私の頭の中でも流れ続けていました。

そんな余韻を残した大きな理由は、やはりカイを演じる向井康二さんから放たれる人を魅了する力なのだと思います。正直に言うと、向井さんについては“Snow Manのメンバー”という認識しかなく、演技する姿を見るのは今回がはじめて。鑑賞前は「演技力に定評のある森崎ウィンさんとのバランスはどうなのだろう?」と思っていたのですが(すみません!)、向井さんの少しハスキーな声と物憂げな瞳が、ある種マンガの登場人物のような“カイ”を見事に具現化していて、すっかり魅せられました。

映画『(LOVE SONG)』の一場面

真面目すぎて恋に不器用なソウタを演じる森崎ウィンさんと、どこか影をまとったミステリアスなカイを演じる向井康二さん。対照的なふたりの調和が、ラブストーリーの〈セツナさ〉と〈トキメキ〉を加速させているのです。(ちなみに、及川光博さん演じるジンと、ミーン・ピーラウィット・アッタチットサターポーンさん演じるサンの関係も、ほっこりと心あたたまります)

そしてもうひとつ、作品の魅力を際立たせているのがタイ・バンコクの風景です。雑然とした下町と洗練されたオフィス街が当たり前のように隣り合う街並み、夜の喧騒と静寂、いろとりどりの屋台グルメ……そのすべてが映画を豊かに彩り、異国に足を踏み入れたようなワクワク感を与えてくれます。

映画『(LOVE SONG)』の一場面

 

映画『(LOVE SONG)』

2025年10月31日(金)より、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、TOHOシネマズ二条、OSシネマズ神戸ハーバーランドなどで公開。

公式サイト:https://movie-lovesong.jp/

© 2025『(LOVE SONG)』製作委員会

masami urayama

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