映画『秒速5センチメートル』を大阪で初披露。舞台挨拶では奥山監督に加えて松村北斗がサプライズ登壇!

『君の名は。』(2016年)や『すずめの戸締まり』(2022年)など、大ヒット作を生み出してきた新海誠監督。18年前に公開され、新海ワールドの原点ともいえる劇場アニメーション『秒速5センチメートル』が、実写映画化され、2025年10月10日(金)から全国公開されます。

主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描いた本作を手掛けたのは、「ポカリスエット」のコマーシャル映像や米津玄師「感電」「KICK BACK」、星野源「創造」のミュージックビデオを監督した奥山由之さん。映像監督・写真家として国内外から高い評価を得ている奥山さんにとって、今作は初の大型長編商業映画監督作です。

そして、主人公・遠野貴樹を演じるのは、『すずめの戸締まり』で閉じ師・宗像草太役をつとめ、新海誠監督が“もっとも信頼している”と評価する松村北斗さん。さらには、高畑充希さんや森七菜さん、吉岡秀隆さんといった豪華俳優陣も集結しています。

9月27日(土)には特別試写会が大阪・TOHOシネマズなんばで開催され、奥山由之監督が舞台挨拶。スペシャルゲストとして、松村北斗さん、貴樹の幼少期を演じた上田悠斗さん、明里の幼少期を演じた白山乃愛さんがサプライズで登場し、集まった観客を喜ばせました。

 

梅田やなんばの入れそうなお店はひと通り行った。

実写映画『秒速5センチメートル』は、10月10日(金)から公開。会場となるTOHOシネマズなんば・スクリーン1に集った観客たちは、関西ではじめて本作を観られることに心躍らせている様子でした。

そこに、奥山由之監督が登壇し、「大切な想いで丁寧につくった作品を今日、関西ではじめて上映します。ドキドキしますけど、みなさんにご覧いただけることをとてもうれしく思います」とあいさつ。ここでMCであるFM802のDJ飯室大吾さんが、登場を告知されていなかったスペシャルゲストを呼び込み、まずは主人公・遠野貴樹の幼少期を演じた上田悠斗さん、貴樹とある約束を交わす明里の幼少期を演じた白山乃愛さん、さらには主演の松村北斗さんもサプライズで登場し、会場は大きな拍手が湧き上がりました。

この日は大阪・なんばの舞台挨拶ということで、最初のトークテーマは〈大阪の印象〉。仕事で梅田近くに数週間宿泊した経験があるという松村さんは「入りやすそうなお店はひと通り行った」といい、ただ〈なんば〉に関しては老舗も多くて緊張感があったそうで「丸亀製麺に行っていました。入りやすいので」と告白します。

大阪におじいちゃんとおばあちゃんの家があるという上田さんは「すごく楽しそうな街。(人も)フレンドリーでやさしそう」と答え、何度か大阪に来たことがあるという白山さんも「にぎやかで明るい場所」というイメージがあるといいます。奥山監督もその意見に同調し、「活気のある街で、(新大阪駅で)新幹線を降り立ったときからそれを感じます」とコメント。

松村さん、上田さん、白山さんの3人は、舞台挨拶の前に梅田にあるHEP FIVEの観覧車に乗ってきたそうで「高いところが苦手な悠斗が大変キュートで、年齢が1つしか違わない乃愛ちゃんがお姉ちゃんに見えた」と松村さん。上田さんが「楽しかったけど、怖かった」と正直に明かすと、松村さんは「素直にいうところが、悠斗のいいところ」と目を細めます。白山さんは今回が初観覧車体験だったそうで、「ビルの上にあるのですごく高くて、最初は怖いかなと思いましたが、めちゃくちゃ楽しかった。2人と話せて心があたたまったし、はじめての観覧車がこれでよかったと思いました」と笑顔を見せてくれました。

3人の仲睦まじい姿をニコニコと見つめる奥山監督は、撮影現場でも同様によい雰囲気だったと教えてくれ、「3人がいっしょの撮影はあまりなかったのですが、すごく和やかなムードで撮れました。チームには誠実で真摯な人たちが集まってくれて、すごく楽しかったです」と当時を思い出していました。

映画『秒速50センチメートル』舞台挨拶つき特別試写会 in 大阪での奥山由之監督

 

「釜山国際映画祭」は、忘れられない映画祭になった。

本作は、先日開催された「第30回釜山国際映画祭」で公式上映され、奥山監督と松村さんが出席しました。現地での様子を松村さんは「オープンシネマ部門の最終日に大きな会場で上映されて。奥山さんがすばらしく仕上げていたので作品自体の不安はまったく心になかったのですけど、その場所に自分がいるという状況をうまく飲み込めなくて、上映後にわぁーっと拍手をいただいても(不安が)ちょっと残るんですよね。でも、そのなかで奥山さんとがっちり握手して、ガッとハグしてくれたときに、それがボーンとなくなって。この拍手は作品に向けられたものだとスッと入ってきた。改めて会場のお客さまの熱気を感じて―――忘れられない映画祭になりましたね」と振り返ります。

また松村さんは、印象的に描かれている上田さん演じる幼少期の貴樹と白山さん演じる幼少期の明里のシーンにもふれ、「とにかく(幼少期の)2人がすばらしくて、この2人だけの一本でいいなと思うような出来ばえです。これだけの見応えと感情の量を、幼少期、高校生、社会人とまとめた奥山さんは本当にすごい」と絶賛していました。

映画『秒速50センチメートル』舞台挨拶つき特別試写会 in 大阪での松村北斗さん

 

ポッドキャスト、卵焼きを焼くこと、ダンス、おしゃべり……。

ここで映画にちなんで「秒速で時間が経ってしまうほどハマっているもの」というトークテーマに。奥山監督は「宣伝するわけではないんですけど」と前置きし、最近はじめたという〈ポッドキャスト〉にハマっているといいます。「友だちといっしょにやっていて、創作をしているときの気持ちなどを話しているのですけど、それがすごく楽しい時間なんです」。

白山さんは「卵焼きを焼くこと。わたしのおじいちゃんがフワフワの卵焼きを焼いていて、その焼き方を教わってから何回も焼いています」と回答。MCから出来ばえの点数を聞かれると、「おじいちゃんの卵焼きが100満点なので、わたしのはまだまだだから50点くらいかな」とキュートに答えて会場を和ませます。

一方の上田さんは、「ダンスにハマっている」といい、「楽しくて、1時間以上あるレッスンが10分くらいに感じるときがある」と夢中になっている様子を語ってくれました。

映画『秒速50センチメートル』舞台挨拶つき特別試写会 in 大阪での上白山乃愛さん

そして、このトークテーマのトリを飾った松村さんは、奥山監督同様に〈しゃべること〉をあげます。「1時間半のラジオ番組を生放送でやっていますけど、なんであんなに一生懸命にしゃべると時間があっという間に過ぎるんだろうと思うんです。それと同じようなことが釜山でもあって、舞台挨拶のあとに秒速のチームや知り合いの監督さんと食事をして気づいたら2時半になっていた。やっぱり好きなことをしゃべるって、心にとって大切なんだと感じました」。

映画『秒速50センチメートル』舞台挨拶つき特別試写会 in 大阪での上田悠斗さん

 

「大丈夫だよ」といってあげられる作品になっていたらいい。

舞台挨拶も終盤にさしかかり、再び本作の話題へ。奥山監督は「どんな人でも日々、悩みや不安を抱えていると思います。この映画が、そういうみなさんの背中にそっと手を添えるような、〈大丈夫だよ〉といってあげられる作品になっていたらいいなと思います」と想いを伝えます。

幼少期を演じた2人は、それぞれ印象的だったシーンを披露。上田さんは「雪のシーンの撮影が(自分にとって)はじめての雪で、とっても楽しかった」と振り返り、白山さんは「踏切の桜のシーンが印象に残っています」と答えます。さらに「これも含めて本当にすべてがきれいな映画だと、わたしは観たときに思いました。俳優さんの表情や映像の美しさなど、注目して観ていただけたらうれしいです」と、しっかりとした言葉で気持ちを伝えました。

また、松村さんは、1人の人間の人生を複数の俳優が演じていることも本作の魅力だと語ります。「(明里は)乃愛ちゃんに高畑充希さん、(貴樹は)悠斗に青木柚くんとぼくがいたりして、実際に違う人間がひとつのキャラクターを演じています。それをどうつなげていくのかというのを、奥山さんがステキに効果的に使っている。映画をステップアップさせているところも楽しんでもらえると思います」。

 

最後は、まず松村さんが「今日はありがとうございます。原作を知っている方でも、かなり新鮮な気持ちで楽しんでもらえると思います。まっさらな気持ちで、ぜひスクリーンと向き合ってみてください」あいさつ。つづいて奥山監督が「誰しもが普遍的に感じる、幼少期の純真さ、青春の真っ直ぐさ、大人になることの迷い、そういうものが映っている映画で重ね合わせて観ていただけると思います。今日は本当にありがとうございます」と締めると、会場にはあたたかい拍手が鳴り響きました。

映画『秒速50センチメートル』舞台挨拶つき特別試写会 in 大阪の様子

 

映画『秒速5センチメートル』

2025年10月10日(金)から、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、MOVIX京都、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸などで公開。

公式サイト:https://5cm-movie.jp/

©2025「秒速5センチメートル」製作委員会

masami urayama

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