【編集長の与太話】歳をとっても好きなことを楽しめる、その当たり前がつづきますように!

大変、遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。

2022年もoneをよろしくお願い申し上げます。

 

みなさまは、ライブやサッカーなどのエンターテインメントの現場をいつまで楽しめるのだろう〜と考えることはありませんか? わたしはあります。とくにライブは体力勝負のところもあるため、いつか諦める日がやってくるだろうとなんとなく思っていました。

…と、思っていたのですが、そうではないことを年始に実感したのです。

 

わたしの母親(79歳)は、福山雅治さんの大ファン。日々、テレビやネット、ラジオを追いかけ、少女のようにキャッキャッと喜んでいます。

 

そんな母が一番、楽しみにしているのがコンサートです。〈生ましゃ〉を観ることは彼女の元気の源で、毎年、年末に横浜に行くのが母娘の恒例となっていました。しかし、コロナ禍で中止に。母はかなり気落ちしていましたが、去年、3年10ヵ月ぶりとなるツアー『WE’RE BROS. TOUR 2021-2022』が発表され、母とわたし、そして妹は1月7日の大阪城ホールのチケットを獲得し心待ちにしていました。

 

しかし、直前になってひとつの問題が…。今年のお正月、久しぶりに帰省して目の当たりにした母は予想以上に足腰が弱っており、階段の上り下りがとても危なっかしいのです。さらに、大阪城ホールは階段が多い会場。本人は「大丈夫」といっていましたが、娘としては不安しかありません。

 

その不安を周りにもらすと「イベンターに相談してみれば?」いわれ、なるほどその手があったかとキョードー大阪さんに電話。「エレベーターでご案内できます」との返事をもらい、思わず「よっしゃ!」とガッツポーズをとりました。

 

当日。大阪城ホールでは案内係がアテンドしてくれ、外も中もエレベーターで移動。トイレも階段を使わないよう配慮してもらえ、終演後もしっかり誘導していただけました。杖を使う母の歩く速度はかなり遅く、人の倍以上も時間がかかっていましたが、スタッフさんは歩調をあわせてゆっくり進んでくれ、「申し訳ない」と恐縮する母には「当たり前のことです」と笑顔を向けます。娘のわたしたちには、天使に見えましたよ! 本当に。

 

歳をとった人や障害がある人にとって、ライブなど体力の必要な場所はハードルが高いものです。体力に不安があるなら、「おとなしく家で映像を楽しめばいい」という意見もあるでしょう。私自身も、どこかで〈歳をとれば諦めなくちゃいけないもの〉だと思っていまいた。

 

でも、案内係の方が「当たり前のこと」だといってくれて、当たり前になるようにチカラを貸してくれて、諦めなくていいものだとわかりました。

 

誰もが、好きなアーティストのライブを楽しめる。

それが、当たり前でありつづけますように!

 

お世話になったスタッフに感謝しつつ、心からそう思えました。スタッフのみなさん、そして福山さん、ありがとうございます。

 

――――

とはいえ…、うちの母親の場合はわたしや妹などサポートする人がいるから楽しめているのが現実。サポートしてくれる人がいなければもっとハードルが高く、エンタメを楽しむことを〈贅沢〉ととらえて諦めてしまう人も多いと思います。

もっとカジュアルに、もっと気兼ねなく、もっと自由に。誰もがエンタメを楽しめる仕組みをつくれないか? oneでも少し考えてみたいと思います。

 

masami urayama

関連記事

1 Comment

Comments are closed.