展覧会『岩合光昭チャリティー写真展 ねこと半世紀、いい子ばかりです』ギャラリートーク。大阪らしいねこを撮影をしたい。

阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリーにて開催中の『岩合光昭チャリティー写真展 ねこと半世紀、いい子ばかりです』(〜6/13まで)。動物写真家の岩合光昭さんの人気作品をオークション形式で販売し、売上の一部は(公社)日本動物園水族館協会に寄付されます。

6月4日(土)にはギャラリートークが開催され、岩合光昭さんが来場。撮影秘話などを語り、詰めかけたネコ好きたちを大いに喜ばせていました。

 

そのうち、撮影で大阪におじゃましたい。

チャリティー写真展が開催されている阪急うめだギャラリーの隣にある、阪急うめだホールで開催された今回のギャラリートーク。会場には多くのねこ好きさんたちが集まり、岩合さんを大きな拍手で迎えます。

NHKの人気番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』は、コロナ禍で海外へ行くことが困難になっているため、現在は日本各地のネコを撮影しています。大阪での撮影は現地点ではないのですが、岩合さんは「プロデューサーに〈大阪でやりたい〉と伝えています。そのうちおじゃましますので」とうれしい話を聞かせてくれます。つづくギャラリートークでは、展示作品の撮影秘話をメインに展開。本展のメインビジュアルに採用されている格子から身を乗り出すパリのネコ・カゼットを撮影したときの話など、印象的なエピソードをいくつか紹介してくれました。

ギャラリートークでは印象に残っている撮影の話を披露。

 

チャリティーで、ねこに恩返しをしたいと思った。

ギャラリートーク後には岩合さんへのインタビューを実施。今回のチャリティー写真展への想いやねこを撮影するときのこだわりなどをお聞きしました。

 

――ギャラリートークでは大阪のねこを撮りたいと話していました。実現したら、どう撮影したいですか?

「鶴橋の焼き肉店とか、大阪らしさを感じるところで撮影したいですね。〈ネコ歩き〉は名所・旧跡だけでなく、そこの土地の空気感が伝わる撮影をしています。ねこや人、それこそ地面の色も地域の特色です。環境を含めてねこという動物がどういうものかを考えられて、もっと知りたいと思ってもらえる番組。そこからねこの幸せにつなげられればいいですね」

 

――撮影ではどんなことを心がけているのでしょう。

「動物の撮影には臨界距離があります。言葉を発しなくても“これ以上は近寄るな”と伝えてくるので、それをわきまえて撮影しなくてはいけません。また、自分のことを忘れて、被写体のことだけを考えるのがもっとも重要です。ぼくが〈どういうものを撮りたいか〉ではなく、そのねこの〈らしさ〉を写し込みたいのです。よく、動物の写真を撮る方が〈シャッターチャンスを逃した〉とおっしゃるのですが、シャッターチャンスはこちら(撮影者)が考えるものではなくて、被写体である動物のなかから自然とでてくるものだと思っています」

 

――うまく撮影するコツを教えてください。

「みなさん、顔にこだわりすぎています。ねこは全身からかもしだす雰囲気が魅力です。30年前はねこの写真といえば正面顔ばかりでしたが、横顔でも、後ろ姿でも、顔が見えなくてもねこのかわいらしさはあります。そのねこをひたすら見ることによって、撮るものが生まれてくるのではないでしょうか」

 

――本展には約120点の写真が出品されています。どのように選ばれたのですか。

「写真集でもそうなのですが、写真家がこだわると売れないのですよ(笑)。たとえば写真集は編集者やデザイナー、印刷の方など多くの人のチカラでできあがります。だから、みんなの意見を聞いて、ひとりよがりにならないようにしています。写真を選びでも、ぼくがいいと思ったものが〈伝わりにくい〉といわれる場合もありますが、ねこらしさが伝わりやすいことはとても大切です。今回も周りの意見を聞きながら選りすぐっています」

 

――本展は岩合さんにとって、はじめてのチャリティー写真展です。なぜ企画を?

「ねこに恩返しをしたい、ねこの役に立てるチャリティーをしたい、そう思いました。でも、寄付先がむずかしくて、なかなか見つけられずにいたのです。そうしたら、(公社)日本動物園水族館協会から〈うちを通して野生動物の保護活動を支援できる〉といっていただけて、お願いすることができました」

 

――これから来場する方には、どう楽しんでもらいたいですか。

「自由に観て、お気に入りを見つけてもらえるとうれしいですね。そして、その写真になぜ惹かれたのか? ということも、ちょっと考えてみてほしい。単純にかわいいからでもいいのですが、もしかしたら、もっと深い部分で惹かれるものがあるかもしれませんから」

1回目のキャラリートーク終了後、会場の入り口パネルに岩合さんがサインを描き入れました。来場される方はチェックしてみてください。

 

世界のねこたちの写真が120点。お気に入りの子が必ず見つかる!

会場には、岩合さんがこれまで全国の展覧会場で開催した写真展作品から人気作品を厳選。「岩合光昭の世界ネコ歩き」「ねこ」「ねこ歩き」「ふるさとのねこ」「ねこといぬ」から、約120点を出品しています。

岩合さんが「いい子ばかり」というように、どのねこも表情豊かで、その子らしさを発揮。かしこそうな子、やさしそうな子、やんちゃな子―――、それぞれに個性をもつねこはどの子も愛らしいのですが、会場を巡り終えるころには、〈この子!〉という一匹に出会えるはずです。

少し緊張感のある表情が印象的な、ねこといぬの作品。

 

ねこといぬの展示では、いぬのかわいさも目を引きます。

 

本展では、展示作品のチャリティーオークションに入札できます。岩合さん撮影のねこをお家に迎えられるチャンス。お気に入りの子が見つかった方は、参加してみてはいかがでしょうか。

「この子!」というねこを、せひ見つけて!

 

また、会場ではオリジナルグッズもずらり勢ぞろい。阪急うめだ本店限定グッズなど、ここでしか手に入らないグッズもあるのでお見逃しなく!

日常で使えるグッズは、お気に入りの子を持ち歩ける喜びがあります。

©Mitsuaki Iwago

 

「岩合光昭チャリティー写真展 ねこと半世紀、いい子ばかりです」

期間:2022年5月18日(水)〜6月13日(月)

営業時間:10:00〜20:00

※最終日は18時閉場、各日とも入場は平常の30分前まで。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況により、営業日・営業時間が変更となる場合がございます。

会場:阪急うめだ本店 9階 阪急うめだギャラリー

入場料:一般・大学生800円/小・中・高校生600円/障がいのある方300円

※料金は全て税込。

※未就学児は無料。

※障がいのある方は、障がい者手帳の原本をご提示ください。

※障がいのある方の介添え人は、お一人様まで無料。

※株主優待券は1枚で2名様まで無料。

展覧会の詳細は公式サイトをご覧ください。

公式サイト:https://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/gallery_iwago/index.html

masami urayama

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