【11/17まで】“いま”の中国映画にふれる「2022 大阪・中国映画週間」開幕!

中日国交正常化50周年の今年。映画を通じて理解を深め、文化交流を図るイベント「2022 大阪・中国映画週間」が初開催されています。〈期間:11月11日(金)〜11月17日(木)〉

作品の一般上映に先駆け、11月11日にウェスティンホテル大阪で開幕セレモニーを実施。開幕式にはアカデミー賞外国語映画賞を獲得した『おくりびと』が中国で異例の大ヒットを記録した映画監督の滝田洋二郎監督や中国で人気の高いアーティスト七穂(Naho)さんがゲストで登場し開幕を祝います。開幕式後のレセプションでは人気漫才師・銀シャリがMCを担当。お笑いの聖地・大阪での開催を大いに盛り上げました。

 

映画を通して〈新時代中国〉の理解を深めてもらいたい。

開幕式は、オープニングアクトの琵琶演奏からスタート。中国映画でもよく使われる琵琶の音色が響き、会場は荘厳で美しい雰囲気に包まれます。開会を告げるあいさつでは、中華人民共和国駐大阪総領事である薛剣(せつ けん)さんが登壇。東京で開催されていた本イベントが、中日国交正常化50周年という節目の年に大阪で初開催できたことへの感謝と喜びを述べます。さらに「これから一週間、最新の中国映画を大阪の地で連続上映します。奇想天外なコメディもあれば、家族の絆を描く社会派もある。甘酸っぱい青春ストーリーや少年が英雄になって世界を救う冒険物語もあります。みなさまの好みはまちまちだと思いますが、自信をもっておすすめできる作品たちです。ぜひお越しいただき、映画を通して新時代中国への理解を深めてください!」と映画を通しての文化交流をめざすイベントの魅力と期待を力強い言葉で伝えます。

「2022 大阪・中国映画週間」の開幕式を前に、滝田洋二郎監督など来賓代表9名がサインボードにサイン。

 

中国映画には、素朴なあたたかさが感じられる。

対談では、薛剣さんに加えて、2019年に中国映画『聞煙』の監督を努めた滝田洋二郎監督、「坂和的中国電影大観」シリーズの著者で中国映画に詳しい坂和章平さんをゲストに迎え、熱い中国映画トークを展開。進行役の日中映画祭実行委員長・耿忠(こう ちゅう)さんから、日中での映画製作の違いを問われた滝田監督は、撮影方法などの違いはありつつも基本は同じではないかと語ります。「映画は個人の才能が結集して生まれるもので、映像をフィルムに焼きつけるという目的も同じです。どこでやっても、自分のやり方で撮ればいいと気づきました。もちろん、現場でぶつかることもあります。でも、徹底的にぶつかるとそのあとはスッと打ち解けられ、クリエイティブに敏感になれる。(中国の撮影で)すばらしい体験ができました」。

また、中国映画の専門家である坂和さんは「小学校から映画が好きでしたが、中国映画との本格的な出会いは2004年のシネ・ヌーヴォでの中国映画特集。そのとき一気に30本を観て、中国にはこんなにすごい映画がたくさんあるのだとびっくりしました」と中国映画に魅せられたきっかけを教えてくれます。以来、数多くの中国映画を鑑賞し、約350本の映画評も執筆している坂和さん。耿忠さんから中国映画の魅力を聞かれると「素朴なあたたかさを感じられるところではないでしょうか。(中国映画は)ハリウッドにも進出して大作を制作していますが、本質的な魅力は素朴さや純朴さだとわたしは思っています」と答えてくれました。

「2022 大阪・中国映画週間」開幕式のゲスト対談では、中国映画の魅力が大いに語られた。

地域ごとの文化を反映する映画は、その国を知る入口になります。中華人民共和国駐大阪総領事である薛剣さんは「中国には5000年の歴史があり、そのなかで優れた映画が制作されてきました。現在、中国は激しく変化しています。その変化から新しいアイデアや題材が自然にでてきて、新しい映画が生まれている」と今の中国映画界の充実ぶりを口にします。

また、ボーダレスに映画制作をしてきた滝田さんは「映画は、言葉も、国境も越えるし、ぼくはそれを目指していきたい。国と国の関係もありますが、個人と個人が理解して、信頼し合って、はじめて国を越えることができるのです。クリエイティブを求めている人は日本や中国に限らず、世界中にいます。そういう人たちと力強いエネルギーをもって、新しい映画をつくっていきたいですね」と国を越えた映画づくりへの意欲を語り対談を締めてくれます。

 

セレモニーでは日本と中国をつなぐブリッジアクトとして、北京2022冬季オリンピック・パラリンピックスローガンPRソング『一起向未来(Together for a Shared Future)Japanese Ver.〜共に未来へ〜』で日本人代表として歌唱するなど中国を拠点に活躍している歌手・女優・タレントの七穂(Naho)さんの『昴』、神戸中華同文学校の生徒たちによる獅子舞などが披露され、華やかに開幕式を盛り上げました。

「2022 大阪・中国映画週間」開幕式。ブリッジアクトでは学生たちが躍動感のある獅子舞を披露。

 

中国の〈いま〉がわかる! 最新の中国映画8本を上映。

『2022 大阪・中国映画週間』では、11月11日〜11月17日の間に最新の中国映画作品8本を上映します。お笑いの聖地・大阪に似合うコメディや中国の新時代を描くヒューマンドラマ、最新の技術を屈指したアニメーションまで、多彩な作品をラインアップ。なかには、中国で興行収入600億円以上を獲得した大ヒット・SFコメディ『月で始まるソロライフ』や三谷幸喜監督の『ザ・マジックアワー』をリメイクした『トゥ・クール・トゥ・キル』などの話題作も含まれています。

日本では、なかなか観るチャンスのない中国映画たち。この一週間で、どっぷりふれてみてはいかがでしょうか。

©NPO法人日中映画祭実行委員会

 

『2022 大阪・中国映画週間』

期間:2022年11月11日(金)〜11月17日(木)

上映会場:TOHOシネマズ梅田アネックス SCREEN 9・10

チケット:1,500円(税込)

チケット販売サイト:TOHOシネマズ

https://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/037/TNPI2000J01.do

 

上映作品やスケジュールなど、詳しくは公式サイトをご確認ください。

公式サイト:http://cjiff.net/2022osaka.html#add2

masami urayama

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