【製作発表レポート】 この春、世界遺産・姫路城で「平成中村座」の幕が開く!

国宝・姫路城は今年、世界遺産登録30周年を迎えます。それを記念し、「姫路城世界遺産登録30周年記念 平成中村座姫路城公演」の開催が決定。5月3日から27日まで、姫路城・三の丸広場に江戸時代からタイムスリップしてきたかのような芝居小屋が登場します。1月30日(月)には東京都内で製作発表記者会見が行われ、中村勘九郎さん中村七之助さんが登壇。姫路城という特別な場所で公演できる喜びを語ってくれました。

 

土地の力をお借りして、本当の芝居をお届けしたい。

スーツに身を包み、引き締まった表情で登壇した中村勘九郎さんと中村七之助さん。会見は、「姫路城世界遺産登録30周年という記念すべきときに『平成中村座』を選んでいただいたことを感謝していますし、うれしく思います。ありがとうございます」という勘九郎さんの感謝の言葉からスタートします。

今回は、世界遺産であり国宝でもある姫路城という特別な場所での開催。勘九郎さんは製作が決まる以前にも姫路城を訪れたことがあると話し、「ここで中村座ができたらいいなと思っていた」と憧れの場所での公演に期待を膨らませます。

七之助さんも「姫路城の前という中村座にとって初めての場所。中村座の歴史に新しい1ページを加えられることがうれしく思います。土地の力をお借りして、本当の芝居をお届けしたい」と熱い想いを語ってくれました。

『姫路城世界遺産登録30周年記念 平成中村座姫路城公演』製作発表会見

 

中村家にとって特別な演目を姫路城特別バージョンでできれば。

演目は、中村座として初めて取り組む4本。「姫路城で公演ができるかもしれないというお話をいただいたときから、姫路城の天守には刑部姫が祀られていること、城内には伝説のお菊井戸があることは存じていましたので、必ずや『播州皿屋敷』『天守物語』はやらなければと 思っていました」と勘九郎さん。姫路城にまつわる演目を中村座流に表現することに意欲をみせます。

七之助さんは姫路城天守閣が舞台の『天守物語』を演じることにふれ、「ご当地のものだから『天守物語』をやろうよと口では簡単に言えたんですが、いざ演目として決まってから見ると、とんでもないものを選んでしまった……という気持ちです。けれど、坂東玉三郎の叔父様が演出に入ってくださり、手取り足取り教えてくださっています。素敵な『天守物語』をみなで作っていきたい」と意気込みます。

さらに勘九郎さんは、『鰯売戀曳網』や『棒しばり』への想いを口にし、「父や祖父が大事にしてきた中村家にとって大切な演目。趣向を凝らした姫路城特別バージョンができればいいなと思っています」。

 

七之助さんは公演期間中に不惑の年、40歳を迎えます。〈意識していることはあるか〉との問には「富姫に歳のことは聞かないで」という回答で笑いを誘いながらも、「節目の年であり、初めて中村座が行く土地でもありますので、新たな歌舞伎人生のよき第一歩にしたい」と力強くコメントします。

 

コロナ禍を経験し、見る者にとっても、演じる者にとっても、芝居という心躍るライブイベントは特別なものになっています。勘九郎さんは、その時期になってみないとわからないという前置きのもと「芝居の世界も徐々に日常を取り戻せるのではないかと思っています」と、本来の中村座の公演ができる喜びを伝えるコメントで会見を締めくくりました。

『姫路城世界遺産登録30周年記念 平成中村座姫路城公演』製作発表会見

 

『姫路城世界遺産登録30周年記念 平成中村座姫路城公演』
(関西テレビ放送開局65周年記念事業)

日程:2023年5月3日(水・祝)〜5月27日(土)千穐楽

(10日・18日は終日休演 23日午後4時公演は休演)

会場:姫路城三の丸広場内 特設劇場

 

第一部【12:00開演】
一. 浅田一鳥 原作『播州皿屋敷(ばんしゅうさらやしき)』一幕

〈配役〉
浅山鉄山 中村橋之助
腰元お菊 中村虎之介
岩渕忠太 片岡亀蔵

二. 三島由紀夫 作、二世藤間勘祖 演出・振付『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』一幕二場

〈配役〉
鰯賣猿源氏 中村勘九郎
傾城蛍火 中村七之助
博労六郎左衛門 中村橋之助
傾城薄雲 中村鶴松
亭主 片岡亀蔵
海老名なあみだぶつ 中村扇雀

第二部【16:00開演】
一. 岡村柿紅 作『棒しばり』長唄囃子連中

〈配役〉
次郎冠者 中村勘九郎
太郎冠者 中村橋之助
曽根松兵衛 中村扇雀

二. 泉鏡花 作、坂東玉三郎 演出『天守物語』一幕

〈配役〉
天守夫人富姫 中村七之助
姫川図書之助 中村虎之介
朱の盤坊 中村橋之助
亀姫 中村鶴松
小田原修理 片岡亀蔵
舌長姥/近江之丞桃六 中村勘九郎
薄 中村扇雀

チケット一般発売:2023年3月4日(土) 10:00~

【御観劇料(全席指定・税込)】
松席(1階前方 桟敷席)・・・・・・・・・・15,500円
竹席(1階・2階 いす席)・・・・・・・・・・15,500円
梅席(2階 いす席)・・・・・・・・・・・・・・13,500円
桜席(2階 いす席)・・・・・・・・・・・・・・11,000円
お大尽席(2階正面 いす席 お土産付き)・・・・・・・・・・36,000円
※3歳以下膝上無料、ただしお席が必要な場合は有料
※車椅子でご来場予定のお客様はキョードーインフォメーションへ予めご連絡ください

お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~18:00 日・祝日は休み)

masami urayama

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