今年30周年を迎えたファッションブランドKEITAMARUYAMAとデビュー35周年を迎えたDREAMS COME TRUE。2つのアニバーサリーが重なる特別な年を記念し、ステージ衣装を中心とした過去最大級の衣装展覧会「KEITAMARUYAMA 30周年×DREAMS COME TRUE 35周年 記念祝祭「大衣装展覧会」-大阪LOVER-」が阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー開催中です。(〜12月16日)
一般公開に先駆け行われたオープニングイベントでは、DREAMS COME TRUEの中村正人さんとファッションデザイナーの丸山敬太さんが登壇。ふたりの出会やこれまで紡いできた数々の衣装に対する想い、さらにはここでしか聞けないステージ衣装製作の裏話などを披露してくれました。
「ドリカム」の愛称は、大阪で生まれた!
初展示を含む80点以上の圧巻の衣装が並ぶ会場について、中村さんは「本当にすばらしいです。我々としても、よくここまで衣装を保管できたなと感嘆するばかり。世界中には数多くのアーティストが存在しますが、ここまで完璧にステージ衣装を保存・揃えたのは、ドリカムだけではないでしょうか」と興奮気味に語ります。その衣装を製作し、本展のディレクションも担当した丸山さんは「無謀とも言えるような長い長い“挑戦という旅”をしてきたんだなと思います。自分たちが積み重ねてきたことの意味や、その背景にある多くの要素が浮かび上がってくると同時に、やっぱりコスチュームって本当にすごいなと実感しました。ライブやお客さんの熱気など、さまざまなものを吸い込んでいるせいか、存在感が半端ないんです」と30年以上の歴史を噛み締めていました。
今回の衣装展のタイトルにもふくまれる、DREAMS COME TRUEの名曲のひとつである『大阪LOVER』。開催地である大阪についての印象を尋ねられると「私は大阪にゆかりのある“エセ関西人”でして、大阪の寝屋川に6年間住んでおりました。小学校から中学校と、一番言葉を覚える時期に大阪で過ごしたため、私の人格形成はまさに大阪でした。とはいえ、今でもエセ関西弁で話すと怒られることがあります(笑)」と中村さん。さらには、ドリカムのデビューである1989年3月21日に大阪でライヴを行ったことや、初めて「ドリカム」と略称したのが大阪のスタッフだったことも披露し、大阪がDREAMS COME TRUEにとって重要な場所であることを明かしてくれました。
出会う前から衣装のデザイン画を描いていた。
中村さんとのの出会いについて丸山さんは、「DREAMS COME TRUEがデビューした当時から大ファンでした。最初に紅白に出られたときに僕はまだ出会っていないんですけど、勝手にデザイン画を描いていたくらいです(笑)。 当時はSNSなんてない時代で文字通り口コミだけが頼りでした。そんななかで、『ドリカムの衣装がやりたい!』とあらゆる場所で言い続け、さらにはドリカムの行きつけのお店に自分のデザインブックを預けて『もし(ドリカムが)きたら見せて!』と言っていたのが本当に吉田さんの手に渡り、そこからご縁が生まれて夢がかなった。まさにDREAMS COME TRUEです」と振り返ります。
一方の中村さんは丸山さんと出会う前に自分たちで衣装製作をしていたことを思い出し、「本当に大変だったんですよ。ライヴの前は音楽の練習じゃなく吉田美和の着替えの練習をしていました。ライブハウスだと控え室が小さくてそこに吉田美和が自分でつくった衣装が入らないんです。だから僕らいつも控え室の外にいる(笑)」と当時のエピソードを披露してくれました。
まさに夢がかなった、“DREAMS COME TRUE”というイベント!
衣装を制作する過程について丸山さんは「コスチュームというのは、決して一人で完結するものではなく、アーティストがどのように表現したいのか、どのようにオーディエンスを熱狂させたいのか、そういった想いを汲み取りながら作り上げていくもの。吉田さんからは多くのアイデアや言葉、ときには雑誌の端切れやメモのようなものまで、さまざまな形でコンセプトのヒントが届けられます。それらをもとに試行錯誤を重ねながら、ひとつの世界観をカタチにしていきます。まさに戦いのようなものですが、切磋琢磨しながら作り上げた衣装には、私一人のデザインでは到底成し得ない、チーム全体の想いがぎゅっと詰まっています」とコメント。
中村さんは「うちの場合は吉田美和が総合演出家というか、ディテールまでつくっています。特にフライングっていうのがうちの大きな特徴で、その衣装がまた大変…。たとえば、スカートで飛ぶ場合はスカートがだらっとなっちゃいけないし、下着が見えてもいけない。遠くの観客にもその衣装の表現を伝えるのが非常にむずしいんです」と衣装製作の裏側や制作するうえでの苦労などを教えてくれます。
また、特に印象に残っている衣装について丸山さんは「1995年の“ワンダーランド”です。吉田さんがひまわりの花のスカートを着て、途中で花がふわっと開く演出がありました。その衣装を久しぶりに見ると、青さというか、勢いというか、今の自分ではつくれない当時ならではの素敵さがあります。ドリカムを昔から愛してくださっている方々だけでなく、若い世代の方々にも、その時代のエネルギーを感じ取ってもらいたいです」と語ってくれました。
最後に本展について中村さんは「ほんとにこの奇跡を、まさに夢がかなった“DREAMS COME TRUE”というイベントを、できるだけたくさんの方に来ていただきたい」とメッセージを伝えます。丸山さんは「長い年月の中で数えきれないほど多くの方々が関わり、ひとつの作品として積み重ねてきた歴史と想いを、多くの方々に見ていただきたいと心から思っています。さらに、今回の展覧会は大阪でのみ開催される特別なイベントです。『大阪LOVER』という言葉を前面に押し出しながら、大阪愛を全国に広めていけたら」と意気込みを口にしイベントを締めくくりました。
KEITAMARUYAMA 30周年 × DREAMS COME TRUE 35周年
記念祝祭 「大衣装展覧会」 -大阪LOVER-
期間:2024年12月4日(水)〜2024年12月16日(月)
入場時間:10:00〜20:00(最終入場は1時間前まで。最終日は17時に終了)
会場:うめだ阪急本店9階 阪急うめだギャラリー
入場料: 1,500円(税込)※中学生以下は無料
チケットには「日付指定券」と「フリー入場券」があります。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
公式サイト:https://website.hankyu-dept.co.jp/honten/h/gallery_keitamaruyama_dreamscometrue/