【11/6まで】世界で唯一の“時代劇”映画祭「第14回 京都ヒストリカ国際映画祭」スタート!

歴史映画・時代劇にフォーカスした世界で唯一の映画祭「京都ヒストリカ国際映画祭」。第14回となる今年、京都文化博物館で10月29日(土)から11月6日(日)まで開催されています。

初日の10月29日にはオープニングセレモニーが開かれ、株式会社松竹撮影所 代表取締役社長・武田功さん、京都府 副知事・山下晃正さん、日本映画放送株式会社 常務・宮川朋之さん、作家・花房観音さんが登壇。時代劇の魅力にふれられる映画祭を京都で開く意味を教えてくれました。

 

映画を愛するみなさまに、時代劇の魅力を再発見してもらいたい。

オープニングセレモニーは、今年1月に逝去した井上昭監督の作品『鬼平外伝 正月四日の客』の上映後に開催されました。まず主催者を代表し、株式会社松竹撮影所 代表取締役社長・武田功さんがあいさつ。14回目となる映画祭の開催を感謝しつつ、「コロナ禍だった前回、前々回は窮屈な開催でしたが、今回は映画祭本来の目的である、“映画人との出会いの場”を提供します。上映作品の監督・スタッフ、俳優、時代考証の方など多くの方々にご参加いただいて、活発なトークセッションを実施。映画を愛するみなさまに、世界中の時代劇・歴史劇の魅力を再発見していただけることを期待しています」と京都ヒストリカ国際映画祭の魅力を伝えます。

つづいて同じく主催者から京都府 副知事の山下晃正さんが登場。「太秦の撮影所を活性化し、日本映画発祥の地・京都を盛り上げていきたい」と意気込み、さらには「映画は作品を通して自分と対話できます。そこから深い共感を得られるはず」と、作品と向き合うことで多くのものが得られると説きます。

 

今回の映画祭で上映する井上昭監督作品を提供するなど、協賛をしている日本映画放送株式会社の常務である宮川朋之さんは、運営している「時代劇専門チャンネル」の作品を京都で制作していることもあり、「少しでも恩返しできれば」と京都への感謝を述べます。

また、この日の13:30から上映されるポール・ヴァーホーベン監督の作品『ベネデッタ』のトークショーに参加する作家の花房観音さんも駆けつけ、バスガイドをしている自身の体験を交えてあいさつ。「京都は時代劇の景色がそのまま残っているので、子どもたちを案内すると感動してくれます。映画の街・京都で開かれる時代劇の映画祭に関われて光栄です」と喜びを語ってくれました。

第14回 京都ヒストリカ国際映画祭オープニングセレモニー

 

唯一無二の時代劇を、もっともっと世界に出していく。

オープニングセレモニーが終了すると、日本映画放送株式会社 常務・宮川朋之さんと京都府 副知事・山下晃正さんによるトークセッションがスタート。〈日本の時代劇、伝統の継承と世界に向けてのアップデート〉をテーマとし、熱い議論がかわされました。

 

最初の質問を「第一回目の2009年ごろは時代劇のおかれている状況はアゲンストでしたが…」と切り出した司会者に対し、太秦出身で子どものころから時代劇に親しんできた山下さんは異論を唱えます。「わたしは時代劇がアゲンストだと思ったことはありません。時代劇が終わったといっていたのは、主に映画人。興行収入の低迷などはあったかもしれませんが、素人のわたしの目にはそう見えなかった。それに、時代劇は荒唐無稽なものなどなんでもできるはず。なんでもっとチャレンジしないの? と思っていました」。その言葉に、司会を努めていた東映株式会社 京都撮影所の高橋剣さんは「確かに、太秦の我々がネガティブに考えすぎていたのかも…」と当事者として振り返っていました。

 

とはいえ、映画祭がスタートした2009年から14年が経ち、時代劇の状況は変化。配信サービスの普及によって、世界各地でボーダレスに楽しまれています。日本映画放送株式会社も「SAMURAI VS NINJA」という海外向けの動画配信サービスを開始し、多くのユーザーを獲得しているそう。常務の宮川さんは「時代劇はファンタジーで、ともすればSFみたいな描き方もできます。世界的にみても歴史映画は〈コスチュームドラマ〉として人気が高く、映画祭でスポットが当たることも多い。だから我々は唯一無二の時代劇をもっともっと世界に出していく必要があるし、世界はそれを求めていると思いっています」。

 

時代劇専門チャンネルは、豊川悦司さんや片岡愛之助さんが出演する劇場作品『仕掛人・藤枝梅安(一)(二)』を2023年2月と4月に連続公開します。トークショーの最後にはこちらの予告編を特別上映。まだオフラインの段階で完成型ではありませんが、伝統のなかに斬新さが見え隠れする映像からは“新しい時代劇”が感じ取れ、ワクワクとした期待感に包まれてトークセッションは閉幕しました。

第14回 京都ヒストリカ国際映画祭

 

『第14回 京都ヒストリカ国際映画祭』

期間:2022年10月29日(土)〜11月6日(日)※10月31日(月)休館

会場:〈シアター上映〉京都文化博物館(3Fフィルムシアター)

〈オンライン上映〉配信動画サービスMIRAIL(ミレール)

料金:有料(作品により変動)

上映作品やスケジュールなど、詳しくは公式サイトをご確認ください。

公式サイト:https://historica-kyoto.com/

masami urayama

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